TOUCH POINT BI 導入後の成果について教えてください。
目に見えて改善したのは、仕入れ率や在庫率です。今まで乱高下していた数字を適正かつ安定的にコントロールできるようになりました。それと同時に、社員の成長スピードとスキルレベルが格段にアップしました。
新人研修も兼ねて、新卒1年目のスタッフと僕とで1年間、AIでの予測機能をもとに発注業務を行ったんですが、わずか1〜2ヶ月で「売上予測に対して的中率が◯%で、◯%の上振れなので、この商品をあと3個発注しておけばだいたいいけます」みたいなことを言い出したんです。
発注業務は従来、中堅スタッフが上手にコントロールして行うものでした。それが入社1年のスタッフが、仕入れ率と在庫率を全店舗の中で一番低く抑えられるようになるまで成長したのです。
この間培ったノウハウと知見とともに、5店舗すべてにTOUCH POINT BIを導入できました。数字が確実に上がってきた店舗は、使い方を教えていないにも関わらず、自主的に仕入れ率や在庫率を見はじめています。「どうやったの?」と聞くと「EBILABさんを見て自分たちで考えてやりました」と。今までの勘と経験で教育するやり方とは、成長スピードやスキルレベルがまるで違うと感じました。とても驚きましたね。
ほかにも、来客予測ができるので、シフト組みが容易になりました。パートの主婦の方が来客予測を見てシフトを組んでいる店舗もあるんですよ。また、来客予測から仕込み量がわかるので、材料費や人件費などさまざまなロスの削減につながっています。休憩が長く取れたり、以前より2時間ほど早く帰れるようになっていますね。
経営の視点からはいかがでしょうか?
KPIの管理がしやすくなっていますね。複数のデータを一覧でき、しかもタイムリーに見ることができるので、僕がどこで何をしていようと、データはすべて見ています。おかげで「おそらくこれから売上が少し落ちていくよ」「売上が上がっていくから先に手を打っておきなさい」といったアドバイスがポンと言えるようになりました。
現場にいると気づきにくいんです。いきなり20%も上振れすると、現場は「なんでだろう?」って。視点の長さが中期的になりましたね。
意外なところで、採用力の向上にも好影響を及ぼしています。愛媛県内ではこうしたテックを導入している外食企業は希少なので、それがおもしろいと若者に響き、来てくれる子たちが増えたと思います。
今後、TOUCH POINT BIを使って新たに取り組みたいことはありますか?
TOUCH POINT BIを使って、新たなマネジメント構想を描いています。
具体的には、レストランから業態転換をして、専門性の高い飲食店を出店しようと考えています。そうすることでTOUCH POINT BIがより活きると思っています。
メニューが多様化しているレストランよりも、専門店の方がデータが読み解きやすいので効果を出しやすく、業務改善もスムーズに進みますよね。
3年ぐらいかけてマネジメントのやり方を変えていきます。人材不足や負担など、外食産業が抱えている問題を、TOUCH POINT BIを使って解決していきたいなと思います。
より良い人材が入って来られるように、いい意味で防壁を高くしたい。「これからはこの働き方が普通だよ」「データを見ないとやっていけないよ」と。そうすると、それに合わせたリテラシーの子しか入社しなくなるので、会社の質が上がると思っています。
人手は少ないですが、これから幹部に育ってくる子たちは、データを見られて当たり前のレベルの子たちにしたいです。でないと、生き残れないと思います。明らかに変わりましたから。なんとなくではできない時代だと思っています。
また、こういったBIをサービス業や外食、小売に導入した発想の転換がすごいなと思います。
他社のBIツールも試用しましたが、難しすぎます。その点、EBILABさんは現場レベルで考えているところがすごい!どれだけ現場に寄り添ったものを作っていただけるかが、期待するところですかね。
アップデートもさせていただいて、いろいろな相談を受けていただけるので、非常にありがたいと思っています。
本日は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました!