EBILAB

導入事例

CASE STUDY
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三重大学との連携で地域を活性化!
地域の企業で業務に活かせる学びを提供

<令和3年度「DX等成長分野を中心とした就職・転職支援のためのリカレント教育推進事業」(文部科学省)>

国立大学法人三重大学 様 社会人リカレント教育

教育事業

三重大学 リカレント教育センターは、三重大学がもつノウハウを活かし、リカレント教育を通じて企業の人材育成や地域社会の発展に貢献していく教育センターです。2022年度はEBILABと連携して約半年間でデジタル化に必要な基礎的な知識とスキルに加え、プロジェクトマネジメント能力を併せ持った人材を養成するプログラムを実施しました。

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三重大学の教職員の方々、受講生の方々

三重大学 大学院地域イノベーション学研究科 加藤准教授 / 三重大学 リカレント教育事務部 世古様 / 受講生 万協製薬株式会社 角谷様 / 受講生 株式会社ミエデンシステムソリューション 川瀬様 よりお話を伺いました。

導入前の課題感

  • データサイエンスの分野で人材不足が問題視されている
  • 社会人向けのリカレント教育では、会社や業務の知識を持った人と連携しプログラム構築および指導をしなければすぐに使えるものにならない

導入サービス

講演/教育事業

導入後の効果

  • DXやデジタルスキルがどのように効率化に役立っているか学ぶことができた
  • 企業が経営改革を行っている様子を肌で感じることができた

導入前の課題感

・データサイエンスの分野で人材不足が問題視されている
・社会人向けのリカレント教育では、会社や業務の知識を持った人が指導しなければすぐに使えるものにならない

01

三重大学社会人リカレント教育講座の概要を教えてください

加藤 : 現在、高等教育機関全体で注目されているキーワードがいくつかあり、その中でもリカレントが大きな注目を集めています。リカレントには、DXやデータサイエンスなど、多くの分野が含まれます。特に、データサイエンスについては、人材不足が問題視されています。日本は欧米諸国に比べて人材育成が遅れているため、人材不足が深刻化しており、産業界からは、人材供給を増やすように求められています。

大学の学部でいろいろな取り組みが行われていますが、それに頼るだけではなかなか難しく、社会人のリカレントやリスキルは重要なキーワードの一つとなっています。大学でもその取り組みを行うため、リカレント教育センターを立ち上げました。その中で、地域からのニーズも大きいDX分野のリカレント教育に対して、EBILABさんと連携させていただいて特徴的なプログラムを企画し、令和3年度「DX等成長分野を中心とした就職・転職支援のためのリカレント教育推進事業」(文部科学省)に応募させていただきました。採択後も具体的なカリキュラムの構築、プログラムの運営など連携して実施させていただきました。

三重大学でこの講座を実施した背景や課題を教えてください

加藤 : 近年、文部科学省でも実務家教育を重視しており、教育研究のみのキャリアではなく、実務経験を持つ人も重要視されています。社会人向けのリカレント教育について言えば、その分野や会社のこと、業務等について知識を持った人が指導しなければすぐに使えるものになりません

このような背景から、学内のリソースだけではニーズに合わせたプログラムを構築することは適切でないと考え、大学の得意な部分とEBILABさんの得意な部分を合わせてプログラムを作れないかということでお声をかけさせていただきました。

【受講生】講座に参加する前に感じていた課題があれば教えてください

角谷 : 「Power BI」については前から知っていいて、使いこなしたらすごいとは思っていました。ただ、グラフをまとめられるけれど、Excelで事足りると思ってしまっており、その後の活用につなげられていませんでした。今回の講座では、実際にPower BIを使って情報を活用できることを知り、参加することにしました。

川瀬 : 会社の方から紹介していただき、インターネットでリカレント教育講座の主なカリキュラムを見た時、Microsoftの資格取得に向けてのサポートが受けられるという点に惹かれ、やりたいと思いました。独学で資格試験の勉強を始めたものの、苦戦していました。そんな中、このプログラムに参加できたことがとても嬉しかったです。

上図:講座配信画面

導入サービス

・DX経営講座
・Power BI活用講座

02

【受講生】講座を通して学んだことを教えてください

角谷 : Power BIの使い方だけでなく、深いところまで掘り下げるというか、実際にDAX関数など、グラフ以外にも様々な関数があることを知って、活用の幅が広がるというのは学んだことのポイントの一つですね。

講師の方がPower BIだけでなく、クラウドサービスのレクチャーもしてくださったので、実際にさらにすごいものが作れるようになるんだろうなという感じがしました。また、自分自身もPower BIを活用した先について考えを膨らませることができました

川瀬 : Power BIの講座のほか、前半のDX経営講座では、日本や世界の状況について教えていただいたり、後半には、製造業の現場でのDXの話やDALL-E、ChatGPTのお話を伺ったりなど、普段の生活や業務で得られる情報以外の世界を知ることができました。

また、三重大学の先生が教えてくださった地域イノベーション学や、知的財産に関する話も普段考えたこともない内容ばかりで、とても面白かったです。

上図:実践講座のBI画面例

【受講生】参加してよかったと感じる点を教えてください

角谷 : やっぱり人とのつながりという点はよかったと感じます。実際に大学の先生と話せたり講座を受講できたりする機会は貴重だし、同じような立場の働く人たちが学んでいることを知れたのもプラスです。

私が一番印象に残ったのはデータサイエンティストでした。講師の方とか、実際にこんな人がいるんだ!という世界でしたが、直接話を聞いたり講義を受けたりできる贅沢な時間でした。それがとても良かったですね。

川瀬 : 具体的に役に立っているのは、Power BIの部分です。発展コースで自社のデータを使って作成したダッシュボードは、現在、実際に運用に向けて動いています。まだイレギュラーなデータの対応をしているところですが、Power BIを使って作成したことで、「これもやりたい」とか「一緒に何かできそう」という、発展した話も出てきています。今までエクセルで最低でも1〜2時間かけて集計していたのが、今では更新ボタンを押して30秒で済むようになりました。

【受講生】EBILABの講座やサポートでよかった点があれば教えてください

角谷 : サポートはもちろんのこと、今回のプログラムの流れも、途中でマネジメントゲームを挟んでグループワークに入ったことが良かったと感じました。その流れは完璧でしたね。アイスブレイクのような感じでワチャワチャやって仲良くなった後にワークに入ることで、話しやすい状況を作ることができ、それが良かったと思います。

上図:受講生がプレイしたマネジメントゲーム

川瀬 : オンライン会議を定期的に開催していただけた点がよかったです。実店舗での生きているデータを利用させていただき、定期的にフォローアップまでしていただいて、至れり尽くせりでした。ありがとうございました。

【受講生】講座で学んだ内容は今後活用できそうですか?

角谷 : もちろん活用できそうです。自分が知りたかった情報について講師の方に聞いたこともありましたが、知りたかった情報を教えていただけたと感じています。

現在、当社はオンプレミスとして大きなサーバーを使用していますが、将来的にはハードウェアを持たずにクラウドで作業ができるようにしたいと考えています。実際にそれができそうだということも見えてきました。また、自分の業務において、クラウドを使ってインフラ関連の保守作業を行っていますが、さらに、IoTのクラウドを活用して実際にインフラの監視ができるのではないかといった新たな可能性が見えてきました。

川瀬 : まだやってみたいと考えている段階ですが、EBILABさんで運用されていた売上のグラフや推移といった数字の表現ができるようになりたいと思っています。まだ、どのようなグラフが経営者の判断に役立てるか、ピンときていない部分が多いので、これからの課題が見つかりました。引き続き、学び続けながら今後の業務に役立てていきたいと考えています。

導入後の効果

・DXやデジタルスキルがどのように効率化に役立っているか学ぶことができた
・企業が経営改革を行っている様子を肌で感じることができた

03

講座を終えて、どのような成果があったかや、受講者の方の反応、大学として感じたことなどについて教えてください。

加藤 : 10月の現地研修では、DXやデジタルスキルがどのように効率化に役立っているかを学び、企業が経営改革を行っている様子を肌で感じることができました。これらの経験を通じて、参加者たちは学習を進める上で非常に大きな収穫があったと思います。そこはEBILABさんと一緒でないと提供できなかったことですし、満足度も高かったと思います。

上図:現地研修を行ったゑびや大食堂と活用しているツール

他にも、EBILABさんのネットワークを活かして、素晴らしい外部講師を紹介していただきました。その講師のコンテンツは非常に高い評価を受けており、大変有益な学びを提供いただけたと思います。こういった点は、EBILABさんと一緒に仕事させていただいたことによるメリットだと思います。

世古 : 今回のプログラムでは初心者も含めて実施したため、スキルの差もあり、先生方も教えるのに苦労されている様子もわかりました。我々事務サイドでもそういった方への対応には課題があったと感じています。

受講生からいただく質問の視点は、学生からのものとは違うようなものがあったり、厳しい意見をいただくこともありましたが、社会人である程度の経験をされている方においては、学生への対応とは異なる対応が求められることをこの一年で実感しております。

しかし、受講後のアンケートの結果、満足度の高いプログラムであったということは明らかでしたし、最後のアプローチ発表での成果を実際に見せていただくと、これは非常に有意義なプログラムであったと感じています。

EBILABとリカレント教育講座を実施してよかった点があれば教えてください

加藤 : 今回のプログラムでどこまで教えたら、自分の会社に帰ったときに即戦力として働けるかというレベル感や、入り口として最低限ここまでのレベルが必要というのは、大学だけでは判断できなかったと思います。それを色々なところにヒアリングして検討して組み上げることは大変ですが、他の企業さんもサポートもされているEBILABさんが、どこまで教えれば人材として成長していけるというところの目標値を一緒に決めてくれた点は大きかったです。

また、研修で実施したマネジメントゲームなどもなかなか大学だと思いつかないものですし、楽しみながら勉強するというのは非常に大きいと思うので、EBILABさんと連携してよかったと感じています。

世古 : 現場の研修やデータの提供など、他の企業さんとの連携であればしてもらえないような内容についても快く応じていただいたり、逆に提案いただいたりしていただきました。このような連携はプログラムがよくなった大きな要素だったため、一緒に取り組んだことで良い成果を得ることができたと感じています。

今後社会人向けの講座で取り組みたい内容があれば教えてください

加藤 : 社会人向けのリカレントやリスキルのコースは三重大学として今後増やしていく予定です。今回実施したようなレディメイド型のコースのほかに、オーダーメイド型も実施する予定です。

オーダーメイド型では希望されている企業さんのニーズを聴き取り、リカレントやリスキルのカリキュラムを組みます。こちらのコースでも、DXなどの分野で大学では揃えられないカリキュラムがあればEBILABさんと連携できればと考えています。

世古 : オーダーメイド型のカリキュラムは進めていきたいですね。大学の授業を組み合わせてコンテンツとして提供したり、大学で賄いきれない部分については協力を仰いだりしたいと思っています。

三重大学では、データサイエンティストを育成するような学生向けの講義を持ちたいと思っておりまして、EBILABさんとの連携の中でクロスアポイントメント制度を活用してそういった講義を持っていただけるといいなと考えております。その授業を企業向けのオーダーメイド型のコースの中で提供していくことも考えられるのかなと思っております。

取材にご協力いただきまして、ありがとうございました!