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導入前はどのような課題がありましたか?
野瀬 : 2020年春以降、外部環境が大きく変化する中で、お客様が認識してくださる“キリンシティらしさ”は何よりも大切にしたうえで、私たちの考え方と働き方を進化させる必要がありました。平時で無いときほど、ブランドの本質が問われると考えています。キリンシティブランドとして、お客様の認識を起点に変えてはいけないこと・変えてよいことは何か、考え抜きました。
以前は、社内で定量目標について検討・進捗確認する際も、仲間が何時間もかけて多くの流動的な要素と“悩み”ながら向き合っていました。しかし時間は限られていますから、“悩む”のではなく、仲間のプロフェッショナルな知見は、“考える”ことに活かしたいなと。
また、弊社の店舗のキッチンには社員もアルバイトの方もいます。例えば、前の日の夜に、あるフードメニューは向こう3日間、どのくらい売れるんだろう?と、これまではその人の経験と勘で予測数を考え、メモに残す。しかし、翌朝出勤された別の方は、そのメモを見つつも、またその人の経験と勘で予測数を考え、仕込みを行う。みんな、それぞれ良かれと思って時間をかけているのですが、かみ合っていない。非常にもったいないなぁって。まずはそこから改善していきたいなと思いました。
黄海 : 外部環境がガラッと変わった時には、今までの自分たちの経験と勘が通じなくなります。何を根拠に数字を組み立て、どう動くか、当時現場では悩んでいましたね。
沼田 : 当時、店舗運営をリードする際に一番苦労したのが、不定期で頻度の高い変化への対応です。出店地域の自治体や業界団体のガイドラインも、世の中の状況により頻繁に変わり、それが店舗の売上にも大きく影響しました。
TOUCH POINT BIを導入したきっかけや決め手を教えてください。
野瀬 : 雑誌の特集で異業種から飲食業に移って来られた社長のインタビューがありました。その中にEBILABさんの特集があって、脱属人経営、そしてもう一つが人が心を込めてやる仕事と、そうじゃない仕事を見極めて、進化していくという2つのポイントがありました。そういった御社の特集を見ていく中で、こんなサービス、こんな取り組みがあるんだなととても面白くて、一気読みしたのを覚えています。それがEBILABさんのTOUCH POINT BIサービスに触れた最初のきっかけです。
当時、我々キリンシティもコロナ禍に直面し足元の実務と向き合っていた時期でしたので、すぐにEBILABさんにコンタクトをとることはありませんでした。しかし、お客様のキリンシティに対する認識を確認させていただきつつ、皆で経営理念を起点に、いかに私たちの社会における存在意義(パーパス)を体現していくか、皆で目指すところを改めてはっきりと描けた時点で、特定の課題を解決する手段として、EBILABさんのBIは活用できるのではないかと考えました。
ホームページのお問い合わせ先からコンタクトを取らせていただいたのが2020年の12月ぐらい。もちろん比較検討したかったので、AIを活用した需要予測などのサービスを提供されている企業さんの情報も調べましたが、確認程度でした。理由は、EBILABさんは、BIというサービスを開発されただけでなく、ゑびや大食堂さんで実際に活用され自ら改革を進められた実績がある。サービス内容といったソフト面だけでなく、実際にゑびや大食堂さんで社員の心を動かして改革を行い、成果までつなげられたそのプロセスからも我々は学ばせていただけることがあるのではないか、と考えたからです。従って、EBILABさんから詳しいお話を伺いつつ、キリンシティにとってEBILABさんと取り組ませていただくことが、最善の選択肢ではないかと考えるに至りました。