参加した企業様のTOUCH POINT BIを導入・利用による成果や、県内の企業様にどのような気づきを持って経営をしてほしいか教えてください。
本事業の趣旨でありますデジタル技術の導入を検討できる人材の育成に繋がったというところが、一番大きな成果だと感じております。
非製造業のデジタル化がまだまだ発展途上にあり、そういった業種にデジタル人材がなかなか多くないというのが実態としてございます。そういった飲食業や、小売業の方々にTOUCH POINT BIをモデル的に導入していただいて自社の導入の一歩目を踏み出した企業様が実際におられたというところは、県内全体の非製造業のデジタル化を進めていくうえで非常に意義があると感じております。そういったところで成果があったと感じております。
また、今回のデジタル化実践道場の需要予測編の取り組み報告会で、参加企業の方から、「デジタル化は手段であり、目的ではない」という大事な気づきがあったとの発表がありました。需要予測をして終わりではなく、需要予測によって得られたデータや実際の自社の課題を今後どのように活用し競争力を強化したり、他社に負けない力強い企業を作ったりすることが大切になってきます。デジタル化して満足せず、データやデジタル技術を活用して今後の店舗経営をおこなってほしい。そういった気づきを持ってほしいと考えています。
デジタル化実践道場の成果をふまえて、今後石川県で取り組みたいことはありますか。
「デジタル化実践道場」というのは、デジタル技術の導入を検討できる人材を育成することが趣旨の一つです。
デジタル化には段階がいくつかあると思います。
導入を検討するところもですが、実際に導入をする際にどうしたらいいのか、金銭的な部分、より高度なところですとプログラミングなどもあると思っています。そういった段階ごとに合った施策を展開していきたいと考えています。
企業側は、実践道場を通じてどのようなデジタル化が必要か見えてきたのではないかと考えています。その先に、実際にデジタル技術の導入を進めたいがお金が足りないといった問題や、技術的な不足などもありますので、その点についての技術指導や資金的支援は必要だと思います。
また、本道場では対象としていない部分もあります。例えば、バックオフィス的な業務や、高度なプログラミングを使って自社に即したデジタル技術の開発を行いたいという企業があるかもしれません。今後はそういった部分も支援できるような施策などに取り組んでいきたいと思っています。
最初の一歩は、小さくスモールスタートみたいなことをよく言われると思いますが、スモールスタートで始めた後はスモールのままではなかなか社内全体の生産性向上に繋がらない場合があります。スタートした後、どうやってデジタル活用を全体に広げていくかというところも後押ししたいと考えております。
他の自治体に向けてアドバイスなどがあればお話しいただいてもよろしいでしょうか。
アドバイスという立場ではないですが、参考までに石川県としてこの事業を実施した中で感じたところをお伝えします。
これからデジタル化を行う企業さんはやはり大なり小なりデジタル化に対して未知に対しての不安のようなものは感じているのかなと思っています。
デジタル技術によって何ができるのかということが分からない人が多いため、分からないことによる不安を持っている人たちに寄り添い、不安がどこから生まれてくるのかという解像度を上げる必要があります。そして、その解消の目処を立ててあげて、スモールスタート。まず最初は小さく小さく始めて少しずつ進めていく。そういったところについて一つ担当者も意識することが大切だなと思っています。
デジタル化に関する施策は、これからどんどん自治体としても取り組んでいくところではありますが、一つそういったところも意識として持った上でやっていけばいいと思っております。
取材にご協力いただきまして、ありがとうございました!